おいしさづくりの基礎知識
だしに使われるこんぶ~こんぶだしのおいしさ~
だしに使われるこんぶ
こんぶは植物学的には40種類以上あるとされていますが、だし用に流通しているこんぶは主に「利尻昆布」、「日高昆布」、「真昆布」、「羅臼昆布」です。また、こんぶには天然ものと養殖ものがあります。天然こんぶの殆どは2年生を採取しますが、養殖こんぶでは1年生のものも採取されます。
こんぶミニ知識
■利尻昆布 稚内沿岸を中心に広く採取されていますが、 なかでも「利尻島」で採れる利尻昆布は高級品として高値で取引されます。 ■真昆布 道南地方を中心に一部青森県、岩手県にも分布します。収穫される地域に対応した呼称があり、北海道の渡島半島にある「白口浜」、「黒口浜」、「本場折浜」で採れたものは「道南三銘柄」と呼ばれ、真昆布の高級ブランドとされています。
こんぶだしのおいしさ
こんぶだしのおいしさには、うま味成分である「グルタミン酸」 、甘味成分である「マンニトール」、塩味などを示す「ミネラル(カリウムなど)」の3つが主に関わります。マンニトールは糖アルコールの1種で、昆布の表面に付着している白い粉の正体でもあります。 うまみをたっぷり含んだこんぶだしをとるには、60~70℃程度の温度帯でじっくりとうま味成分を抽出する方法が好ましいです。逆にグツグツと煮てしまうと、ぬめり成分であるアルギン酸も抽出されてしまい、ぬめりや磯臭さが気になるだしになってしまいます。
出典
- 藤村 和夫 著,『だしの本』,ハート出版
- 伏木 亨 著,『だしの神秘』,朝日新聞出版
- 『日本料理店のだし図鑑』,柴田書店
- 太田 静行 著,『だし・エキスの知識』,幸書房