おいしさづくりの基礎知識
酒粕を使用した食品~伝統的な食品と利用シーン~
酒粕のうまみ
酒粕は、多様な栄養成分を豊富に含む食品素材で、古くからその栄養効果などの調査、研究が行われてきました。 酒粕に含まれるアミノ酸を下表に示します。複数のアミノ酸が豊富に含まれていることからも、うまみやコクを付与する食材として利用されてきたことが分かります。
伝統的な食品
酒粕を利用した伝統的な食品の代表例は、奈良漬けや魚肉漬けなどです。特に、酒粕が入手しやすい日本各地の酒どころでは、古くから食品に利用されてきました。 酒粕は酒造りの副産物であるため、冬から春にかけて出回ります。石狩鍋や粕汁は、冬に身体を温める料理としても重宝されるものです。
広がる利用シーン
発酵食品である酒粕は、近年の健康志向から伝統的なメニューだけでなく、中華や洋食、洋菓子と幅広く利用されるようになってきました。また、食品以外の用途も広がり、各地のお土産にも酒粕が活用されています。
さらに、SDGsの取り組みでも着目されている日本ならではの素材であり、酒粕の利用シーンは今後も広がっていくと考えられます。
出典
- 『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』,文部科学省
- 『醸造物の成分』,(財)日本醸造協会
- やまはた のりこ 著,『極旨!酒粕レシピ からだの中からきれいになる発酵食100』,講談社